進学校変身への「裏技」
ゲームなどで裏ワザという言葉はよく聞きますが、進学校について裏ワザという言葉を聞くとは・・・・
高校選びにおいて、大学への大学の大学への合格実績はかなり真剣に見ます。そのあたりを巧みに利用されるのは受験するほうとしては歯がゆい思いがあります。
今回の事件を契機に来年の合格実績の発表はどの高校も神経を使うでしょう。誰が何人、通っているのか、正確な情報を期待したいと思います。
2007/08/19 産経新聞
大阪や埼玉などの私立高校が、生徒の受験料を負担して行った合格者の“水増し”は、生き残りのために「進学校」に変身する“裏技”が背景にあることが関係者の話で浮かび上がった。「合格実績を上げたい高校」「受験生を集めたい大学」「少しでもいい大学を望む親」の連鎖があるという。(慶田久幸)
特進コース
「まず定員の1割程度の特別進学コースを作って合格基準をぐっと厳しくする」
ある経営コンサルタントは、私立高が進学実績を作る手順を説明する。
特待生制度を設けたり、少人数授業をしたり、冷暖房付きの校舎を別に建てるなど“特別待遇”で生徒を集める。
それでも初めは公立や私立トップ校の“滑り止め”だ。
「合格者の90%は第1志望に行ってしまう。残った数%を大切に育てるんです」
特別カリキュラムを編成したり、予備校から講師を呼ぶなどして、ひたすら受験を意識付ける。
「関東だとMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)、関西だと関関同立を狙わせる。これ以下だとアピールにならない」
そして、大量受験をもちかける。
都内の私学関係者は「特に特待生は、学校の世話になったという気分があるから断りにくい」という。
水増しでも実績が上がれば、さらに優秀な生徒が入学してきて、やがて早慶、東大を目指す「進学校」へ変身できるようになる。
大学にもおいしい
これを助長しているのが大学入試センター試験だ。
センター試験を利用する私大は年々増加。平成19年度は450大学が参加している。1度受験するだけで、後は各大学が判定するので生徒の負担は軽い。
センター試験は大学にとっても“おいしい”のだ。試験問題を作成したり、会場を設営することなく、手数料1件570円をセンターに払えば採点データが提供される。
最初に発覚した大阪学芸高で73学部・学科に合格した生徒は、出願も受験料も学校が負担していた。埼玉・狭山ケ丘高校も大量受験にセンター試験を利用したことを認めている。
「合格実績を急増させた学校は同じようなことをやっている。今回は中堅校が行き過ぎただけ」(受験産業関係者)
経営環境
水増しの背景には、私立高校の経営環境の厳しさがある。東京都の場合、17年度の私立高校234校の収入は1999億円。うち647億円(32.4%)が都からの補助金だ。
少子化に加え、公立の中高一貫校が相次いで開校、私立は独自性を失った。さらに数年以内にすべての都道府県で学区制が廃止され、公立同士の競争も激化する。
教育評論家で法政大教授の尾木直樹氏は「昨年騒がれた未履修問題と同じ成果主義が根っこにある」という。
大学、高校に加え、特進コースを利用して「格差社会の中、子供に残せるのは教育だけ」と少しでもいい大学へ入れたい親-この連鎖の中で起きた問題だと指摘する。
「合格者水増しは、(豚肉などを牛肉と偽った)ミートホープの偽装と同じ。教育者は高校教育を根底から考えてほしい」。尾木氏はこう警告する。
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